もちろん、物理的にも、精神的にも。
コンサートとしてこの演目が帝劇に存在できたことが、本当に嬉しい。
中止発表される前の段階で中止だろうなと覚悟していたけれど、いざ公式から発表になった時はガックリした。
JBはとにかく演出が好きだから、やっぱり「お芝居」として観れなくなってしまったのは辛い。
「初日から4公演分が配信になる」というメールが来た時、一瞬全ての公演がダメになったのかと思って背筋が凍った。
初日のチケ取ってたし、行く気でワクワクしていたから。
もちろん中止になるのは可能性として十分にあったけれど、改めて払い戻しが発生してしまったことが無念…。
でも誰のせいでもないんだよな…。
今どこもかしこもピリピリしている情勢で、出来る限りの対策を打って全ての演劇に関わるものを守ろうとしてくれた。
お願いだから、無事千秋楽が迎えられますようにと願うしかない。
さっ、じゃあコンサートの話をしようね！！！！！！！！
いろいろ書こうとした結果演出の話しかしてない！！！！！
▼客席への「誘い」
配信の冒頭は、演出の藤田さんが観客を客席へと誘う動画で始まる。
帝劇の階段を降り、客席へ入る重たい扉へ吸い込まれるような映像の後に、実際の客席から見た舞台の全景が映る。
もうこれだけで泣いてた。
この案内人が藤田さんだというのも素晴らしい演出だと思う。
演出家は、客席と物語を結びつける仕事だから。演出家の後に続いて私たちは扉をくぐり「物語」が待つ空間へと降り立つ。
もうそこは現実ではなく、「ジャージーボーイズ」の世界。
動画内で藤田さんも仰っている「この作品の最後のピースはお客様」という言葉。
初演から色々なインタビューで語られている。
この演目は、私たち観客が「観客役」というものすごく大事な役を任せてもらえている作品だ。
観客役がいてこそ成り立つ演出、プランで作られている。
そして観客が「観客役」にいつの間にかなれるような演出がされている。
それがもうずっと好きだ。
「観客役やってね」ではなくて、「気づいたら自分は観客役になっている」になる。
作中でも出てくるけれど、フォーシーズンズというグループは「一般大衆がスターに押し上げた」グループだ。
輝かしいスター4人はいずれも「一般大衆」から登場する。
この冒頭の映像は、そういう「誘い」だと私は受け取った。
実際に劇場へ行けなくても、私たちは客席で観客役をしているんだ。
▼カメラという概念
実際にカメラで撮った映像を使うことによって「舞台上の役者は客に背を向けて喋っている」という不思議な光景が見られる。
彼等は「カメラ」に向かって喋る。
そしてその後ろには「観客」が映っている。
私たちも作品の一部。
これは実際に舞台版を観た人にしか分からない感覚になってしまうけど、「カメラ目線でのお芝居」というのは舞台版で行われていたからこそ、そのままの意味での画面越し（配信）でも舞台を見ている感覚を味わうことができる。
もともとカメラを使っているからこそより活きる演出だなと思わずにはいられない。
「カメラを使う」というアイディアについては一番最初に決めていた演出だそう。
このへんは動画でお話しされているので是非聞いてほしい～！
それと、これを書いてる時点では配信を2回見た後なんですが、初日より断然2日目の方がカメラワークが！いい！！！！！！
ものすごく大きく変わるというよりかは、「痒い所に手が届く」感じの調整がばんばんされていっている。
ので、これは千穐楽付近とても楽しみですね。
もちろん歌もね！
▼赤白ジャケットについて思ったこと
コンサートのスタートで、フォーシーズンズはみんな白ジャケットを着ている。
そしてラストは赤ジャケを着る。舞台版と逆なんですよ。
舞台版はスタートが赤、ラストが白。
これを、私は「今から始まるんだ」というメッセージに取りました。
2020年ジャージーボーイズの、黒組緑組の「はじまり」は今から。
赤いジャケットをまとった彼らの物語は、赤のシーズンである「春」を今からスタートさせる。
コンサートの終わりは物語の終わりではなく、始まりなんだよっていうメッセージと祈りと決意だと思った。
そしてアンサンブルさんたち。
メイン4人以外のキャストは黒い衣装なんだけれど、ラストの「Who Loves You」で全員が様々な「作中登場人物の衣装」になる。
あらゆるシーン、あらゆる歌で出てきていた沢山の人たちが、全員揃う。
赤いジャケットの4人、作中の人々。もう準備は万端じゃん！！
絶対このメンバーで、舞台版として、帝劇で上演してくれ！！！！！
配信日はまだまだあるからね～～！！！！！！！！！！！
要ﾁｪｹﾗｯ！！！！！
